ニキビに対する抗菌内服薬の長期処方に関しては、以前は保険診療においても可能でしたが、耐性菌の発現や医療費高沸などの理由から、近年では行うべきではないとされております。ただし、重症のニキビの方には、非常に効果的であることは事実であり、本当に必要とされている方のために、当院では自由診療にて長期処方を行っております。ただし当然ながら副作用の発現には注意が必要であり、主だった既往歴が無い方が対象となります。Setsugekka Anti-Acneは、ニキビの原因となるアクネ菌に特に有効なミノマイシンを軸として、炎症と色素沈着に有効なビタミンB、ビタミンCをセットにした、30日分のセット処方となります。

ハイドロキノンは、肌の漂白剤とも呼ばれ、しみが気になる部分にピンポイントで塗布する外用薬です。メラニン色素の合成酵素である、チロシナーゼの活性を阻害することでしみを予防するほか、直接メラニン色素に働きかけて淡色化する作用を持つことから、すでに存在するしみの改善にも有効です。ナノHQクリームEXは、レーザー・光治療の前後に用いるために開発されたもので、フラーレンという強力な抗酸化物質を含み、しみの再発を抑える作用もあります。

サイトカインは成長因子とも呼ばれ、皮膚や血管などの細胞に働きかけ、肌の弾力を保持し、創傷の治癒を促す物質です。リジェンスキンSRSマスクパックは、5種類のサイトカインが含まれており、美容施術の後に使用することで、施術部位の炎症や赤みを抑え、ダウンタイムの短縮に有効であるほか、肌の張り・潤い・透明感の向上が期待できます。特に肌が弱い自覚がある方には、施術による肌へのストレスの緩和のためにお勧めしているほか、ダーマペンは、創傷の治癒力を利用した施術であるため、術後に使用していただくことで、施術本来の効果が得られやすいと考えられます。

ザガーロ（一般名：デュスタリド）は、AGA（男性型脱毛症）に対する治療として、脱毛の進行を抑制する、いわゆる「守り」となる薬剤です。抜け毛の原因物質となる男性ホルモン由来のジヒドロテストステロンの産生を抑制することにより効果を発揮する、5α還元酵素阻害薬に分類されます。当薬剤は第二世代の改良型であり、従来品であるプロペシアと比較して、より広い範囲の脱毛にも対応し、臨床的に1.6倍の効果があったとの報告があります。安全性の高い国内承認薬となり、持病やほかの服用薬があってもほとんどの場合に使用可能である点も魅力です。女性の方への適用はありません。

ミノキシジルは、AGA（男性型脱毛症）に対する治療として、発毛を促進する、いわゆる「攻め」となる薬剤です。頭皮の血流を促し、毛母細胞が増加することにより強い発毛作用を示します。頭皮に直接塗布する外用薬は古くから存在し、薬局などで容易に入手が可能ですが、経口薬は外用薬とは比較にならないほどの高い効果があるにも関わらず、すべての国において未承認となっています。なぜならミノキシジルは本来、血管拡張作用のある高血圧の薬であり、全身状態や既往歴によっては循環器の副作用が生じる可能性がある、高リスク、高ベネフィットの薬剤であるからです。以上のことから当院ではミノキシジルの経口薬の積極的な推奨は行いませんが、患者様の強い要望があり、当院が独自に設定した安全基準を満たす場合に限り、処方を行う形式とさせていただきます。